サラ金や消費者金融の借金の返済方法と早く返済するためのポイント

サラ金の返済方法や早く完済するためのポイントについてまとめました。消費者金融からの借金の返済方法の紹介のほか、早く完済したいなら押さえるべきポイント、サラ金からの借金で困ったときに相談できる窓口一覧を紹介します。まずはご自身の借金の状況を正確に把握し、次に自分に合った返済方法を選ぶことが、素早くかつ確実な借金返済につながります。

消費者金融からの借金の返済方法

消費者金融からの借金の返済方法は、(1)借金の状況を把握し、(2)自分に合った返済方法を選択することが、早く確実に返すポイントです。

消費者金融は俗に「サラリーマン金融」略して「サラ金」とも呼ばれており、一般の個人向けに小口のお金を貸し出している貸金業者のことを言います。

サラ金の借金の主な特徴として、以下のメリットがあります。

  • 銀行や信用金庫等よりも審査が緩く、借り入れの目的や用途も限定されない
  • 無担保で借りられる
  • 実店舗に行かなくても借りられる

他方、デメリットとしては、銀行や信用金庫等からの借り入れよりも利息が高く、利息制限法の上限ギリギリの高金利に設定している企業が多いことです。

従って、サラ金からの借金の金額が多いほど、また返済期間が長いほど、多くの利息をつけて返済しなくてはなりません。借金の返済方法を考える際は、このことを踏まえて返済計画を立てましょう。

(1) ご自身の借金の状況を把握する

計画的かつ無理のない借金返済のためには、まず、すべての借金の正確な状況を把握しましょう。

  1. 借入先の名称
  2. 借り入れた元金の残高
  3. 金利
  4. 毎月の返済額

近年では、多くの消費者金融で、オンライン上の会員サイトで借り入れ状況を確認できるようになっています。会員サイトで確認できない場合は、借入先に直接問い合わせましょう。

2005年7月19日に、最高裁判決が出ており、貸金業者には顧客に対し取引履歴の開示義務があることを認めています。そのため、ほとんどの消費者金融は問い合わせれば取引履歴の開示に応じてくれます。

借りた消費者金融の名前がわからない場合は、信用情報機関に問い合わせることで確認できます。信用情報機関とは、個人のお金の貸し借りの記録を保管する組織で、日本に3つあります。日本の銀行や貸金業者など、合法的にお金を貸している金融機関等は、3つの機関のいずれかに加盟しています。

【日本にある信用情報機関】
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)

このうち、消費者金融が数多く登録しているのが株式会社日本信用情報機構(JICC)のため、こちらに問い合わせることで、正確な企業名や借金の情報を把握できるでしょう。信用情報機関に残っている個人情報は、本人が公式サイト等から申し込むことによって開示請求できます。開示には1,000円ほどの手数料がかかります。

(2) 自分に合った返済方法を選択する

消費者金融からの借金の返済方法は、近年は複数用意されており、ご自身が返しやすい方法を選択することができます。主な返済方法は以下の通りです。

① 消費者金融のATMで返済

お金を借りたサラ金の店頭に設置されているATMで返済する方法です。メリットとしては、手数料がかからず、また、24時間対応となっていることが多い点があります。
デメリットは、店頭に出向く必要があるため返済日前が忙しいと返済が遅れる恐れがあること、出入り口付近で知っている人に見られて、消費者金融を利用していることがバレてしまうという点があります。
また、借入残高が1,000円未満の場合、ATMでは完済できない場合があります。この場合は振り込みやネットからの返済など、他の手段による必要があります。

② インターネットバンキングで返

パソコンや携帯電話、タブレットなどからインターネットバンキングを利用して振り込みます。手数料がかからないことも多く、実店舗に赴くデメリットを解消できる方法です。ただし、便利な分、振り込むのを忘れてしまうリスクがあります。

③ 銀行振込で返済

事前に消費者金融で手続きすることにより、銀行口座から毎月返済分を自動で引き落としてもらう方法です。自分でATMに行ったり、振り込み手続をしたりする必要がないため、返済し忘れるリスクが最も少ない方法です。
ただし、口座の残高が不足していて引き落としができない場合は、遅延損害金が発生してしまうため、口座残高が十分にあることを引き落とし前に確認しておく必要があります。

④ 銀行引き落としで返済

消費者金融が指定する銀行口座に振り込んで返済します。毎回手数料がかかるうえ、自分で手続きをしなければならないため、返済をし忘れるリスクがあります。

⑤ 提携ATMで返済

消費者金融によっては、コンビニなどに設置された提携ATMから返済ができることがあります。消費者金融のATMから返済することに比べて、サラ金に返済していることがバレにくいというメリットがありますが、手数料がかかる点や、借入残高が1,000円未満の場合は完済できないというデメリットがあります。

⑥ 消費者金融の窓口で返済

有人店舗の窓口で直接返済をする方法です。人に直接お金を渡すとしいう安心感があり、返済計画の見直しなどを相談したい場合に向いています。消費者金融は有人店舗が少ないうえに、窓口の受付時間までに行かないといけないため、返済場所や時間に制約があります。

早く完済するなら押さえるべき6つのポイント

(1)家計簿をつけて支出を把握する

まず、ご自身の借金の状況を正確に把握すると同時に、ご自身の一か月の家計簿をつけてみましょう。最近は家計簿をつけるアプリもあるため、活用するのも良いでしょう。レシートやクレジットカードの明細を参照し、家賃や食費、水道光熱費などの生活に必要な出費のほか、遊興費やサブスク代、外食費用などの支出も、逐一記録していきます。

こうすることで、自分の出費のうち何が多いのか、何が削れそうかを把握でき、返済費用をねん出しやすくなります。こうした記録をつけるだけで、節制する習慣が身につく人もいます。

(2)無理のない返済計画を立てる

ご自身の収入と支出、借金の状況が把握できたら、1か月にどのくらいの金額を借金返済に充てられるかを割り出します。この際、ねん出できるギリギリの金額にせずに、ある程度余裕をもたせた額を設定することをお勧めします。

借金は早期に返済するほど、利息を支払わずに済み、返済総額を少なくできます。しかし、余裕のない資金計画を立てた場合、ご本人や家族の病気やけが、失業など、突然のトラブルが発生した場合に、計画通り返済できなくなるおそれがあります。

返済を滞納すると、遅延損害金が発生しますが、遅延損害金の利率は利息よりも高いのが通常です(消費者金融からの借金の場合は上限年20%まで設定可能)。そのため、滞納すると借金が雪だるま式に膨らんでしまいます。

こうなると、結果として借金の完済が遅れてしまうので、万一のリスクに備えるために、返済計画は余裕を持たせたほうが安心です。

(3)手数料のかからない返済方法を選ぶ

前述した返済方法には、手数料のかかる方法とかからない方法があります。一回当たりの手数料はわずかなものでも、毎月支払えば無視できない金額になります。そのため、返済方法にはできるだけ手数料がかからない方法を選ぶよいでしょう。

とはいえ、最も大切なことは、自分にとって支払いがしやすい、返済し忘れるリスクが少ない方法を選ぶことです。例えば、ネットでの手続きが苦手なのにインターネットバンキングを選んだ場合、返済の手続きが面倒になって滞納のリスクが上がりますので、他の方法を選んだほうが良いでしょう。

(4)返済期日を給料日の直後に設定する

消費者金融との契約時に、返済期日をいつか決めますが、この日を給料日の直後に設定しておくと、お金が手元にあるため、毎月確実に返済しやすくなります。

(5)臨時収入があった場合は、繰り上げ返済を行う

臨時収入があった月など、懐に余裕がある場合は、繰り上げ返済をすれば早く借金を返すことができ、トータルで支払う利息の額も減らすことができます。繰り上げ返済は貸した側にとって有利なため、前もって消費者金融に連絡しなくとも気軽にできるケースが多いです。

(6)おまとめローンを検討する

借金を一本化する、いわゆる「おまとめローン」を利用することで、借金の利息を安くできる可能性があります。おまとめローンとは、複数の企業からお金を借りている場合に、借金を1本化して返済の効率化を図ることです。

利息制限法第1条には、お金の借りる際の金利の上限が定められており、高額の借金をするほど利率の上限は低くなります。

借入額が10万円未満の場合…年20.0%
借入額が10万円以上100万円未満の場合…年18.0%
借入額が100万円以上の場合…年15.0%

仮に、3社の消費者金融から50万円ずつ、合計150万円を借りていたとします。各企業の利息が利息制限法の上限である年18%だとすると、利息は年に27万円となります。

これをおまとめローンで一本化すると、借金の元本は150万円となり、利息制限法の上限は15%となります。利息が利息制限法の上限と仮定すると、利息は年に22.5万円となります。借りなおすことで、利息を4万5千円圧縮できる計算です。長期にわたって借りている場合はさらに利息の圧縮が期待できます。

おまとめローンのデメリットとしては、原則として借り入れや返済を繰り返すことができない点があります。キャッシングやカードローン等は、設定された枠内で自由に借り直したり、繰り返して利用したりすることが可能ですが、おまとめローンは、一度借りたら原則して返済することしかできません。

また、借金を一本化すると、ほかの金融機関から「この人は借金に困っている」と判断され、新たな借金の融資の審査に落ちることがあります。

そのため、メリットとデメリットをよく比較検討したうえで、おまとめローンを行うかどうか決めることをお勧めします。

消費者金融からの借金で困ったら相談できる窓口一覧

消費者金融からの借金の返済が難しくなって困っている場合、以下の窓口に相談されるとよいでしょう。特に、複数の消費者金融からお金を借りていて、いわゆる多重債務者になっている場合は、早めに相談されることをお勧めします。

多重債務でお困りの場合

全国の財務局には、多重債務に関する相談窓口が設置されています。お問い合わせ先一覧は以下のサイトを参照ください。

金融庁:「全国の財務局多重債務相談窓口 お問い合わせ先(https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/lfb_madoguchi_230829.pdf)」

消費者金融からの借金でお困りの場合

多重債務に限らず、消費者金融からの借金一般についての困りごとの相談窓口です。

・市区町村役場の無料法律相談

詳しくはお住まいの市区町村役場にお問い合わせください。

・法テラス(https://www.houterasu.or.jp/)

無料の法律相談が3回まで受けられます。

・日本クレジットカウンセリング協会(https://www.jcco.or.jp/)

クレジットや消費者金融からのローンにより多重債務に陥った人向けに、消費者保護の立場から無料カウンセリングを行っています。

・日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター(https://www.j-fsa.or.jp/personal/contact/)

無料の債務相談にて、多重債務や借金問題の相談ができるほか、取り立ての方法が違法ではないかといった、貸金業者への苦情も受け付けています。

返済が難しくなったら弁護士に相談を

消費者金融への借金返済が難しいと感じたら、弁護士に相談されることをお勧めします。弁護士に依頼することによって可能な借金問題解決方法としては、以下の手続きがあります。これらの手続きは債務整理と呼ばれています。

任意整理

弁護士が消費者金融等と交渉して、利息や遅延損害金のカット、返済計画のリスケジュールなどを行います。元本を減らすことは原則としてできませんが、社会的影響の少ない手続きです。

個人再生

裁判所で手続きを行い、借金の総額を5分の1~10分の1程度に大幅に圧縮します。ローン付きの家を手放さなくて済むメリットがありますが、手続きが複雑で時間がかかり、弁護士の協力が特に必要な手続きです。

自己破産

裁判所で手続きをして、借金をゼロにできる方法です。その代わり、自分の持つ財産のうち、一定額以上の財産を処分しなければなりません。無収入の人でも手続きが可能です。

ご自身のケースにおいて、いずれの手続きが適しているかどうかについても、事前に弁護士に相談されたほうが良いでしょう。また、弁護士に依頼すれば取り立てや督促をストップできますので、落ち着いて将来の返済計画を練り直すことができます。

この記事の監修者

弁護士 河東宗文
弁護士 河東宗文
中央大学大学院法学研究科⺠事法専攻博士前期課 程修了
前東京地方裁判所鑑定委員、東京簡易裁判所⺠事 調停委員
東京弁護士会公害環境特別委員会前委員⻑